制作ブログ 映像制作カメラ関連の学びS-Cinetone をα7III で再現!

S-Cinetone をα7III で再現!

Sonyからフラッグシップモデル「α1」が発表され、これまで動画機に搭載されていたピクチャープロファイル「S-Cinetone」 が採用された。
S-Cinetoneは、その名の通り、Cinematic(シネマティック)な色合いで撮影できるピクチャープロファイル。これは今後ますます注目されるのではないだろうか。

残念ながら、α7IIIではピクチャープロファイル「S-Cinetone」のフォームウェアアップデート対応はないが、「S-Cinetone」を再現する海外のYouTube動画があったので、この記事では、その設定方法を日本語でキャプチャ画像を交えて紹介し、使ってみた感想を少し書いていく。

α7III で「S-Cinetone」を再現する

カメラ初心者のα7IIIユーザーでも簡単に設定できる。
撮影から編集まで一人でCinematic(シネマティック)なVlogを作りたいと思ってる方にもオススメですので、最後までチェックしてもらえたら嬉しいです。

情報元ネタの動画はこちら(設定シーンから見る場合 → https://youtu.be/gRYG5QKXRS4?t=233 )。

こんなステキな情報を提供してくれているextra shotさんには本当に感謝ですッ!
すぐにチャンネル登録、通知ON設定させていただきました!

α7III用は、すでに公開されていたが( https://youtu.be/UxzgMkVjKo4 )、今回紹介するのは最近公開になったバージョン2。
バージョン1とバージョン2の設定比較については最後に表にまとめた。

前置きが長くなったが、それでは、α7IIIのピクチャープロファイルをS-Cinetone風に設定変更していく。

α7IIIのピクチャープロファイル設定方法

まず、ピクチャープロファイル(PP1〜PP10)の中から使用しないピクチャープロファイルを選択する。
選択したピクチャープロファイルに、これから紹介するS-Cinetone風の設定を上書きすることになるが、設定後、ほかのピクチャープロファイルにコピーすることも、設定したピクチャープロファイルだけをリセットすることもできるので、とりあえず試して合わなかったら元に戻すことも簡単だ。
今回の例では、PP1をS-Cinetone風のピクチャープロファイルに変更する(ぼくの場合、PP1を使うことはないので)。

それでは、ピクチャープロファイルを選択するところから設定していこう。

  1. カメラ本体の「MENU」ボタンを押す
  2. 画面内の「カメラ1」の「12/14」の一番下にある「ピクチャープロファイル」を選択し、普段使っていないピクチャープロファイルを選び(ここでは、PP1)、右を押す

PP1が選ばれた状態で、右を押すと、PP1の詳細画面が開くので、続いて、下記のように各設定を変更する。

  1. ブラックレベル「-10」
  2. ガンマ「Cine4」
  3. ブラックガンマ
    → 範囲「広」
    → レベル「-1」
  4. ニー
    → モード「マニュアル」
    → マニュアル設定 → ポイント「100%」
    → マニュアル設定 → スロープ「0」
  5. カラーモード「Pro」
  6. 彩度「-2」
  7. 色相「0」
  8. 色の深さ
    R「+3」
    G「+1」
    B「-1」
    C「-1」
    M「-1」
    Y「+1」
  9. ディテール
    → レベル「-7」
    → 調整
    モード「オート」
    V/Hバランス「0」
    B/Wバランス「タイプ3」
    リミット「7」
    クリスプニング「0」
    高輝度ディテール「0」
PP1 > ブラックガンマ
PP1 > ニー
PP1 > ニー > マニュアル設定
PP1 > 色の深さ
PP1 > ディテール

以上です。

【実践】S-Cinetone風に設定して、撮影→カラコレ・カラグレ → 超時短!

早速、α7IIIのピクチャープロファイルにS-Cinetone風の設定をして撮影、カラコレ・カラグレしてみた感想。

もう、最高ですッ!

ワードセンスなく言ってしまうと「イイ感じでそれっぽい映像が簡単に撮れてテンション上がる」。

具体的には、プライマリのノーマライズ(カラコレ)した段階で、もうこれで充分という仕上がり。セカンダリ(カラグレ)では微調整だけで好みの色が出来上がったので、あっという間でした!

Vlogを撮りたい方にとっては、編集時間を短縮させるのは重要だと思います。でもCinematic(シネマティック)な感じにしたい。そんな要望に答えてくれるのが、このS-Cinetone風なピクチャープロファイルです。

S-Cinetone風、バージョン1と2の違い

ver1ver2
ブラックレベル-10-10
ガンマCine2Cine4
ブラックガンマ(範囲)
ブラックガンマ(レベル)-7-1
ニー(モード)マニュアルマニュアル
ニー(マニュアル設定 > ポイント)100%100%
ニー(マニュアル設定 > スロープ)00
カラーモードStillPro
彩度0-2
色相-10
色の深さ(R)+2+3
色の深さ(G)+1+1
色の深さ(B)-1-1
色の深さ(C)0-1
色の深さ(M)+1-1
色の深さ(Y)0+1
ディテール(レベル)-7-7
ディテール(調整 > モード)オートオート
ディテール(調整 > V/Hバランス)00
ディテール(調整 > B/Wバランス)タイプ3タイプ3
ディテール(調整 > リミット)77
ディテール(調整 > クリスプニング)00
ディテール(調整 > 高輝度ディテール)00

こうやって、数字で比較してみると、微調整というより別物ですね。興味深いです。

Cinematic(シネマティック)な映像に、S-Cinetone風のピクチャープロファイルは実に素晴らしい

カラコレ・カラグレは、S-log3(PP8, PP9)のようなログファイルやBMPCCのようなRAWデータをベースに自在に扱えるようになりたい、と思っている。そんなわけで、S-Cinetoneは正直そこまで注目していなかった。

ただ、α1の発表を見て、S-Cinetoneになぜか一気にテンションが上がった次第。リアルな「S-Cinetone」を再現する機材を持っていないので比較はできないが、このピクチャープロファイルは満足、実に素晴らしい。

α7Cとかα7sIIIとか、なんならα6600までさかのぼるけど、その頃からSONYのαシリーズの新製品発表のたびに、α7IIIの後継機を待ち望んでいる。次こそ、α1の良いとこ取りした「フルサイズ・スタンダード」からコスパ最強の「次世代フルサイズ・スタンダード」として発売されることを切望している。

もしくはBMPCC 4Kの後継機として、AF機能がSonyほどではなくても向上して、バッテーリーの持ちが向上して、マイクロフォーサーズ機かEマウントが発売されたなら最高だ(レンズ買い直したくない)。

と後継機に期待しつつも、S-Cinetone風なピクチャープロファイルを手に入れたことで、よりα7IIIに愛着が持てて嬉しい限りです。